確定拠出年金(DC)の運用商品の選択方法とは

確定拠出年金は、元本保証型の商品で運用しても十分にメリットがある制度ですが、運用商品の選択方法によっては、積立資産に大きな差が生じます。確定拠出年金に限らず、運用で失敗しないコツは、「運用商品の選択方法」にあります。この運用商品の選択方法は、自分の希望する投資スタイルおよび運用期間、投資経験の有無により大きく異なります。

運用商品を選ぶプロセスとは

運用商品を選ぶプロセスは、次の3つです。

①自分のリスク許容度を知る。

②自分のリスク許容度にあった資産配分を決める。

③その資産配分に合った具体的な運用商品を選択する

リスク許容度を測るポイントとは?!

リスク許容度を測る場合、主なポイントは次の3つです。

①運用期間

②将来の収支見通し

③投資への考え方

①運用期間が長ければ、リスク許容度は高くなります。一時的に資産が目減りしても、運用期間が長ければ、その後挽回するチャンスがあるからです。

次に、②将来の収支見通しに余裕があれば、リスク許容度は高くなります。給与収入以外に「不動産収入が見込める」とか、「遺産をもらう予定がある」、また、「既に十分な資産を持っている」というような場合です。

最後に、③投資への考え方とは、投資に対して積極的なのか消極的なのかということです。運用商品の値動きのブレ幅、つまりリスクの大きい商品での運用に耐えられなようであれば、リスク許容度は低くなります。

このように自分のリスク許容度を知ることで、そのリスク許容度に応じた資産配分、つまり「自分にとって、どの運用商品をどの割合で選択することが適切か?」を決めます。

リスク許容度に応じた資産配分の考え方とは

リスク許容度に応じた資産配分は、主に次の通りです。

①元本確保型

②安全重視型

③やや安全重視型

④中間型

⑤やや収益重視型

⑥収益重視型

①~⑥の資産配分割合に応じて、運用商品を当てはめます。

これは、ご自身の運用に対する考え方によりますが、リスク診断では、必ずしもリスク許容度と運用に対する考え方は一致しないのが一般的です。

ご自身ではリスク許容度は高いと思っていても、実際の運用面ではリスク許容度に対する考え方は低いということもあります。つまり、自分が思っているほど、リスク許容度は高くありません。

 運用商品を選択する際のポイントとは?!

運用商品を選択する前に、大きな2つの選択肢があります。

「①自分で資産配分割合に応じて個別商品を選択する」か、または、さまざまな運用商品が組み合わされた「②バランスファンドを選択する」かのいずれかです。

「自分はどちらが向いているの?」と迷う方も多いと思いますが、その場合には、「運用経験が豊富」なのか、または「運用経験が浅い」かのいずれかで判断していただいて結構です。

特に「運用経験が浅い方」は、資産配分割合を定期的に見直したり、自分で運用商品を選択することに自信が無いと思いますので、「バランスファンド」の選択が適しています。

バランスファンドとは、債券や株式などの複数の資産に配分して運用されているタイプの投資信託です。例えば、「国内株式25%、国内債券25%、外国株式25%、外国債券25%」など、さまざまな組み合わせにより、いくつもの種類があります。バランスファンドで運用することで、複数の資産クラスに分散投資できるところが大きな特徴といえます。

また、運用開始後には、リスク許容度に応じた資産配分割合に変化が生じますので、定期的な見直し(リバランス)が必要になりますが、バランスファンドは、それを運用会社が行いますので、運用開始後にリバランスする必要はありません。

バランスファンドの選択のポイントは、リスク診断による資産配分の中の「株式の組入割合」で判断します。よって、1つのバランスファンドのみ選択すれば良いので、その他の商品を選択する必要はありません。

なお、同じようなファンドがある場合には、その運用商品を保有することにかかる信託報酬(運用手数料など)や売却した場合の手数料(信託財産留保額)の金額の多寡も選択する際にはポイントとなります。

一方、自分で個別商品を選択する場合には、リスク診断による資産配分に応じた商品を選択します。繰り返しになりますが、運用開始後は、運用状況により、資産配分割合が変化します。よって定期的に確認し、割合が変化していたら自分のリスク許容度に応じた資産配分に修正(リバランス)することが大切です。

さて、あなたにとって適した運用商品は選択できましたか?

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